【レビュー】スクーターの駆動系分解メンテナンス(グランドマジェスティのジャダー解消)

レビュー

突然の出来事なのですが、発進時にジャダー(ブルブルガクガクという症状)が出るようになりました。
アクセル開度が大きい場合はほとんど発生せず、アクセル開度が小さくゆっくりと走り出す場合には、ジャダーとクラッチが急に繋がり(半クラッチが無い状況)で、クラッチ部分がキュッキュッと鳴る状況です。
とりあえず駆動系のメンテナンスが必要と判断し、バラしてみる事に・・・

スクーターで一般的な駆動系の仕組みやばらし方の参考になれば幸いです。

外装カバー類を外す

まずは横のアンダーカバーを外します。
以下の赤く囲んだ3か所と、フロント側の下側の1か所のプラスネジです。

エアクリーナー周りのネジを外します。
以下2か所はゴムカバーを外すとその奥にネジがあります。

〇の2か所のネジでカバーを外し、その後▢の4か所のネジで前側のカバーを外します。

次に駆動系全体のカバーを外します。
カバー周りに大き目のプラスネジで止まっていますので、全て外します。

ようやくプーリー部分が見えてきました。
シルバーのカバーは8ミリ数か所と〇印の12ミリのボルトで止まっています。
このカバーは固着されている場合があるので、マイナスドライバーなどでこじ開けながら真っすぐ力を入れて引けば外れると思います。

ようやくベルトが見えてきました。
プーリー側は24ミリ、クラッチ側は19ミリのナットで止まっています。
プーリーホルダーを使用して外します。

プーリーの外側が汚れています・・・

プーリー内もプレートもかなり汚れていますね・・・

ウェイトローラーの変形や摩耗はありません。

次にクラッチ側。
アウターを外した途端に、黒い粉がごっそりと落ちてきました(笑)

アウターの中も、かなり汚れています。

クラッチ側もかなり汚れています。

シューの真ん中にも黒いスジが・・・

クラッチを車体から外した時にも、ボロボロと黒い粉が落ちてきます。
前回クラッチをバラしてから、3万キロ走行分の汚れです!

清掃して組付けようと思ったのですが、そもそもクラッチシューがかなり減ってそうです。
一番薄い部分(クラッチが一番最初に広がって繋がる部分)を測定すると2ミリも無く、完全に交換時期でした。

既にこの車体は6万キロ後半で、3万キロの時に3枚クラッチから5枚クラッチへ交換。
(3枚クラッチはエンジン回転だけ上がり、原付にも置いて行かれる不評のクラッチ)

今回は更に走行距離が3万5千キロを超えているので、清掃はせず新しいクラッチへ交換する事にしました。

クラッチナットレンチ46mmを使用して外します。
結構レンチとナットに隙間があるように見えますが、計測するとレンチは丁度46mmですがナットは約45.5ミリで結構差がありました。

ここから先の作業は、手の汚れが多い作業が増えて写真は撮れていません・・・(スミマセン!)
クラッチ交換後は、ジャダーも鳴きも無くなり快適になりました。

まとめ

今回のジャダーならびにクラッチの異音については、クラッチシューの減りが原因です。
クラッチシューが減るとその分厚みが薄くなるので、アウターへの接触はよりクラッチシューの部分が広がらないと繋がらなくなります。
逆に新しいクラッチはシューの厚み分、少しの広がりでクラッチは繋がる事になります。
すなわち、
・シューが減ってくると高回転でつながる
・シューが新しいと低回転でつながる
という事になります。

今回の問題である、
・アクセル開度が大きいと正常に繋がる理由
クラッチが一気に最大限外側に広がり繋がる。
・アクセル開度が小さいとジャダーまたは急激に繋がる理由
クラッチが少しずつ広がるが、シューが減っている影響で、繋がる繋がらないの繰り返しでジャダーが発生。
更に半クラ状態になりにくく、急激に繋がる。

それぞれの原因は、以上の事が原因で発生したと推測されます。
スクーターのクラッチ交換は、
・新車時よりも高回転で繋がる。
・アクセル開度が小さい時ジャダー発生。
・クラッチが急激に繋がる
というような症状が発生した場合、一度チェックしてはいいかと思います。

Gマジェスティの補足情報

この車体は2005年式ですが、Vベルトは2008年以降のVベルトを装着しています。
2008年以降のVベルトは以前のものより少し長さが短いので、2008年以前の車体に装着するとレスポンスが良く加速は良くなります。(その分、最高速度は落ちます)
そしてプーリーは全て250cc用の15グラムです。
Vベルトが純正なら、マグザム用の14グラム4個、15グラム4個がバランスが良かったのですが、結局はそれぞれの好みです。

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