新たにPCを導入しましたが、使用者から「使っていると段々と処理が重くなる」と報告を受けました。
14世代のインテルプロセッサー搭載機種であり、世間を騒がせたマイクロコード問題の影響も懸念されたので取り急ぎBIOSを最新へ更新しました。
この時点では改善しなかったのですが、長い時間をかけて結果的に解決しました。
調査の経緯を含めて作業内容を書いていきます。
いやぁ、思わぬ落とし穴が潜んでいました~
症状
症状としては、
・スタートメニューを押してもすぐに表示されない
・イベントビューワやタスクマネージャが開くまで1分前後かかる
・その他、基本的な動作が全て遅くなる
・起動直後は問題ないが、時間が経過するにつれ遅くなる(再起動直後は早い)
状況調査の流れ
■簡易放電
マザーボードの内部の電気を放電。
1.PCに接続されているケーブルを全て取り外します。
2.PC本体の電源ボタンを5-10秒ほど押し続けます。
改善せず
■BIOSリセット
BIOSの設定を初期化(出荷状態)し再起動。
改善せず
■システムファイルチェッカーを使用した修復
Windows PowerShell(管理者)を起動
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
sfc /scannow
改善せず
■セーフモードで起動
改善!
■常駐・スタートアップでWindowsのサービス以外を停止
改善せず
■Dell SupportAssistのアンインストール
改善せず
■ローカルアカウントでログイン
改善!
→この時点でPCのハードウェアが影響している事は無いという結論
→ドメイン参加が影響
ドメインサーバー調査
ローカルアカウントのログインでは遅くなる事は無く正常。
ドメインアカウントのみ遅くなる事が判明したので、ドメインのサーバーを調査する事にしました。
・ドメインの機能レベル:Windows 2000
・フォレストの機能レベル:Windows 2000
ん?これは・・・
仮想PCでWindowsServerを立ち上げ、機能レベルを上げてドメインにログインしてみると・・・
見事改善しました!
ドメインのアカウントログインでは機能的に正常動作しているように見えていましたが、WIndows2000の機能レベルとWindows11との相性は悪いようです(笑)
まとめ
今回の現象は起動後数時間しないと再現しない為、解決までかなりの日数を消費しました。
しかも当PC導入当初は発生していない事象で、何度かのWindowsアップデートで急に遅くなっていたので、ネットワーク関連が原因という想定は確率的に低くかったのです。
今回、PC障害時の基本的な調査と切り分けを行っているので、何かの参考になれば幸いです。
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