節税及び投資効果のある企業型確定拠出年金について

経営

はじめに

今回の記事は、中小企業経営に携わる方、または関連される方への内容です。
様々な条件で実現できる場合と実現できない場合が出てきますので、最後まで読んで頂ければと思います。
表題の内容の実現は、企業型確定拠出年金(以下企業型DC)を利用します。
企業型DCは、
下げる効果:離職率/社会保険料/税金
上げる効果:従業員の手取り給与/退職金/年金

をもたらし、条件が揃えば持ち出し分不要で効果を出す事も可能です。

内容としては、
1:現在の年金制度
2:現在の年金問題は何か
3:企業型DCとは何か
4:メリット
5:デメリット
6:具体例
以上、順を追って見ていきます。

1:現在の年金制度

まず年金の種類や仕組みを整理してみます。

自営業・フリーランス
(第1号被保険者)
会社員
(第2号被保険者)
公務員
(第2号被保険者)
専業主婦
(第3号被保険者)
1段国民年金(基礎年金)国民年金(基礎年金)国民年金(基礎年金)国民年金(基礎年金)公的年金
2段国民年金基金厚生年金厚生年金公的年金
3段(厚生年金基金)年金払い退職給付私的年金
4段確定給付企業年金私的年金
5段企業型確定拠出年金
(企業型DC)
私的年金
6段個人型確定拠出年金
(iDeCo)
個人型確定拠出年金
(iDeCo)
個人型確定拠出年金
(iDeCo)
個人型確定拠出年金
(iDeCo)
私的年金

ご欄の通り年金に関連するものはたくさん存在しますが、今回は企業型確定拠出年金(以降企業型DC)の説明になります。

2:現在の年金問題は何か

国が行っている公的年金制度では、現状の給付開始は65歳。
今後は更に給付年齢が引き上げられる可能性もあります。
更に定年60歳の場合、給付65歳であればこの5年間の不安、またその後に対しての老後の不安があります。

3:企業型DCとは何か

公的年金(国民年金、厚生年金)だけでは前述の不安を補えない場合があり、この不安を補うものが民間による企業年金や企業型DC、個人型確定拠出年金(iDeCo)です。
公的年金を補い、老後の資金として公的年金に上乗せできるような年金システムです。

企業が掛け金を負担する(個人的に上乗せする事も可能)事になりますので、企業型DC加入は事業主の判断になります。
加入条件は企業が厚生年金に加入している事が前提となり、加入対象者は会社員の第2号被保険者です。
対象は会社員ですが一人から加入もできる事から、一人社長の会社も対象となってきます。
また、社員向けに対しては福利厚生制度として導入する事も可能です。

尚、投資先については個人それぞれが選択して運用する事になります。

もし従業員として退職した場合、次の会社の企業型DCに移行する事も可能です。
また次の会社が企業型DCを開設していなければ、個人型確定拠出年金(iDeco)へ移行する事になります。

4:メリット

1:拠出分が控除されるので、企業の支払う税金や社会保険料が安くなる
2:運用商品を自分で選択できる
3:口座維持手数料は不要

5:デメリット

1:60歳まで引き出す事はできないので、それまでの手取り額は減る
2:社会保険料率を下げると、疾病や失業手当、厚生年金の減少となる
3:資産運用リスクの発生(資産の減少)

6:具定例

役員の場合

45歳の役員で報酬月額150万円、確定拠出年金掛け金5万5千円のケースでみてみましょう。

確定拠出年金の掛け金を選ぶ前は、手取りが約100万円となり、そこから任意に金融機関に貯蓄などをすると残り約95万円となります。

老後資金を確定拠出年金の掛け金で形成していく場合はどうでしょう。
5万5千円が先に報酬から引かれますので、報酬がその分下がります。
この場合、下がった報酬が依然社会保険料の金額を決定する標準報酬の上限以上ですので、社会保険料は変わりません。
しかし、所得税住民税は下がりますので、トータル約2万4千円のプラスとなります。
5万5千円の投資に対して2万4千円のプラスですから投資効果は40%以上となります。

これが1年12か月、×年数分となるわけです。

従業員の場合

30歳の社員で月額給与30万円、確定拠出年金掛け金2万円のケースでみてみましょう。

確定拠出年金の掛け金を選ぶ前は、手取りが約23万7千円となり、そこから2万円を任意に金融機関に貯蓄などをすると残り約21万7千円となります。

老後資金を確定拠出年金の掛け金で形成していく場合はどうでしょう。
2万円が先に給与から引かれますので、給与がその分下がります。
この場合、社会保険料、所得税住民税ともに下がりますので、トータル4,531円円のプラスとなります。
2万円の投資に対して4,531円のプラスですから投資効果は20%以上となります。

これが1年12か月、×年数分となるわけです。

最後に

他にもメリットや特典があります。
動画解説もありますので、ぜひ参照ください。

詳細説明や導入方法など、些細な事から何でもお問い合わせください。